福岡ヤングホークスサマーキャンプ
(小児糖尿病サマーキャンプ)

 小児糖尿病サマーキャンプは夏休みを利用して全国48カ所で、小児期のインスリン加療中の糖尿病患児を対象に行われています。福岡サマーキャンプは昭和44年に平田・仲村先生によって始められ、東京に次いで熊本と共に古いキャンプです。ヤングホークスの愛称もダイエーホークスが福岡移転するより以前から使われていました。
  私(田中)が医師団の一員としてこのキャンプに参加したのは久留米大学第1内科在局中の1974年から開業した1983年迄の9年間、第7回〜第15回です。その後も毎年、キャンプが開かれる8月17〜24日の間の土日だけはここを訪問するのが私の年中行事のひとつです。
(2002年8月作製、2007/9/1一部更新)

 

 毎年8月17〜24日に、福岡ヤングホークスサマーキャンプは福岡県朝倉郡夜須町にあるやす高原福祉村「やすらぎ荘」で行われます。
  朝は6時頃起床、6時半からやすらぎ荘前の広場でラジオ体操で1日が始まります。
その後全員で掃除をして血糖検査があります、そしてインスリン注射。血糖検査やインスリン注射は小学生はもちろん幼稚園児でもみんな自分でします。
  ベテランお兄さんお姉さん(糖尿病患児)の指導のもと、はじめは泣いていた子もキャンプが終わる頃には自分でちゃんとできるようになります。
  インスリンは半数以上が1日4回注射、中学・高校生で1日2回注射の子はむしろ肩身の狭い思いをして、「主治医は2回指示だけど、体のためには自分も4回注射した方が良いのでは?」と医師団に相談してる子もいました。
  8時から朝食、キャンプの食事の最低カロリーは1600kcal、6歳でもこれくらい必要なのです。好き嫌いは許されません、泣きながら1時間かかってでも出されたものを食べてしまいます。
  食事は中村大学栄養科の教授・先生・学生がしっかりカロリー・栄養を考えて作ったものですから残す訳にはいきません。
  9時から幼稚園・小学校低学年、小学校高学年、中学校、高校生に別れて糖尿病教室が行われます。
  その後はいろんな行事があります。旗作り、運動会、ハイキング、プール遊び。ディスコ大会では子供達は化粧をしてダンス相手を予約しておきます。
  キャンプ最大の行事は山登り(古処山)です。子供にはかなり厳しい山ですがそれだけに登り切った時の喜びもまたひとしお、その後の自信につながります。
  キャンプ初日の夜は花火大会、最後の夜はキャンプファイヤーがあります。 キャンプの重要な行事のひとつが福岡キャンプの特徴でもあるTG(心理学用語でTalking Groupの略、年齢、発達状態でグループ別に行う話し合いの時間)です。
  糖尿病を持った子にしか分からない悩みや問題を話し合うことで、子供達は精神的にも強くたくましくなります。

平成19年のサマーキャンプ行事日程です。
毎年少しずつは変わりますが、ほぼ同じような内容です。
今年は19日は快晴のもとで運動会(日曜日でゲスト(我々)も多数参加。20日(月)の山登りは雷のため八合目で引き返したとのことでした。
朝のラジオ体操(この写真は平成18年の分)
今年はキャンプ4日目で初めて外でラジオ体操が出来ました。
血糖自己測定。全員自分ではかります。
インスリン自己注射、小学生でも皆自分で注射します。
プール遊び。
捕まったヘルパーが服のままプールへ落とされています。
これは福岡ヤングホークスの年中行事です。
キャンプを支えるドクターとヘルパー達(平成19年)。
やすらぎ荘周辺は自然に囲まれた美しいところです。
この周辺の写真のほんの一部を別ページにリンクしました。
(写真を見るにはここをクリック
また今年(2007年8月18日)の夕日は格別でした。デジカメ写真ながら久留米医師会文化美術展(平成19年10月11〜14日開催)と福岡県医師会美術展(平成20年1〜3月開催予定)に出展します。

 今年のキャンプでは超速効型インスリン使用者が出てきて、食事30分前に検査室でインスリンを打ってから食堂へ降りていく子供の他に、食堂で食事を食べる前に超速効型インスリンを打つ子供が増えてました(H14年記載)。
  このキャンプを訪問して、糖尿病を持ちながらたくましく成長していく子供達、彼らのために一生懸命頑張り悩むヘルパーの若者とふれあい、集まった糖尿病専門家である医師団の先生方といろんな話ができる事は私にとって楽しみであり幸せです。

※上記内容は田中内科クリニックホームページより転載いたしました。
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